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弁護士田島正広の“立憲派”ブログ

田島正広弁護士が、注目裁判例や立法動向、事件などを取り上げ、法の支配に基づく公正な自由競争社会の実現を目指す実務法曹としての視点から解説します。

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ネット上の青少年有害情報閲覧規制(4)

 青少年有害情報に対するフィルタリングを立法で義務化する部分については,それ自体は成人の知る権利には影響しませんが,子どもの知る権利に対する制約として,程度の差こそあれ表現の自由に関する制約である点には変わりはありません。したがって,青少年有害情報の定義を十分明確化した上で,子どもの発育程度に応じた適切なフィルタリングを実施することが必要でしょう。制限の対象となるかどうかが不明確であれば,自ずから萎縮的効果を伴う虞があります。立法案としては,法律において概ね定義をした上で,詳細は第三者機関の判断に委ねる趣旨のようです。条項案においては次のように定義されています。

この法律において「青少年有害情報」とは、次のいずれかの情報であって青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるものとして青少年健全育成推進委員会規則で定める基準に該当するものをいうこと。
1 人の性交等の行為又は人の性器等の卑わいな描写その他の性欲を興奮させ又は刺激する内容の情報であって、青少年に対し性に関する価値観の形成に著しく悪影響を及ぼすもの
2 殺人、生涯、暴行、処刑等の場面の陰惨な描写その他の残虐な行為に関する内容の情報であって、青少年に対し著しく残虐性を助長するもの
3 犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為、自殺又は売春の実行の唆し、犯罪の実行の請負、犯罪等の手段の具体的な描写その他の犯罪等に関する内容の情報であって、青少年に対し著しく犯罪等を誘発するもの
4 麻薬等の薬物の濫用、自傷行為その他の自らの心身の健康を害する行為に関する内容の情報であって、青少年に対し著しくこれらの行為を誘発するもの
5 特定の青少年に対するいじめに当たる情報であって、当該青少年に著しい心理的外傷を与えるおそれがあるもの
6 家出をし、又はしようとする青少年に向けられた情報であって、青少年の非行又は児童買春等の犯罪を著しく誘発するもの

この点,下位機関への委任は本来国会が唯一の立法機関であることに照らして,民主制を空洞化させかねない要素があるものです。しかも本件は表現の自由への制限となるものであり,民主政の成立基盤とは無関係とはいえないものです。したがって,下位機関への委任は,それがどのような人選に基づくか,どのような手続で基準が定立されるのかも含めて,慎重に検討されるべきことと思料しております。

(次回へ)


弁護士 田島正広  http://www.tajima-law.jp

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