FC2ブログ

弁護士田島正広の“立憲派”ブログ

田島正広弁護士が、注目裁判例や立法動向、事件などを取り上げ、法の支配に基づく公正な自由競争社会の実現を目指す実務法曹としての視点から解説します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

中小企業弁護士ニーズ全国アンケートに見る弁護士像

これまでこのブログでは取り上げてこなかったのですが,私は日弁連での会務活動にも関わっています。ここ2年程は,日弁連の「中小企業の弁護士ニーズ全国調査」アンケート分析チーム,そしてそれを継承した中小企業向けPR用のDVD作成チームに関わってきました。このアンケートは,東京商工リサーチの企業データベースから中小企業基本法にいう中小企業中無作為抽出した15,450社を対象として行われ,その中,3,214社の回答を得て,2008年3月に報告書が日弁連から公表されています。

「中小企業の弁護士ニーズ全国アンケート調査報告書」の概要

このアンケートで浮き彫りになったのが,弁護士利用のうち,裁判以外の相談・交渉の場面での利用が,地方に行くほど,あるいは企業の規模が小さくなるほど進んでいないという実態でした。すなわち,全体回答としては,(1)弁護士を裁判のみで使ったことのある企業は全体の23.2%,(2)裁判以外の相談・交渉にも使ったことがある企業は28.6%,(3)弁護士を利用したことのない企業は47.7%でした。そのうち,(1)については,弁護士の集中している東京と東京以外の調査結果にほとんど差がなく,裁判での弁護士利用は相当程度浸透している感が確認されました。これに対し,(2)については,東京49.6%,東京以外24.5%と大変顕著な差異が現れたのです。顧問弁護士の有無について尋ねたところ,「いる」との回答が東京では40%に達したのに対し,東京以外では15.5%に留まることも,これを平仄を揃えた結果でした。

この結果は,企業規模の大小にもそのまま反映するところでした。すなわち,企業規模の大小にかかわらず,裁判についての弁護士利用は進んでいるのに対し,裁判以外では規模が小さいほどその利用が進んでいない実態が明らかになったのです。

では,そうした弁護士利用の進んでいない企業では,弁護士が相談を受けるべき課題がそれほど起こっていないのかといえば,それは違うようです。先の(3)弁護士利用経験のない企業に弁護士を利用しない理由を尋ねたところ,「特に相談すべき事項がない」との回答が74.8%に達していましたが,その回答をした企業の59.3%が「法的課題を抱えている」と回答しているのです。これが何を意味するかといえば,「法的課題を相談する人は弁護士ではない」と考えているオーナーが相当数いらっしゃるという事実です。

実際,地方の弁護士さんの中には,裁判以外の業務はあまり受けたがらない方が散見されます。また,地方では事務所の所属弁護士が1,2名というのは,むしろ当たり前のことですが,そうした事務所では,なかなか弁護士に連絡がつながらず,迅速に相談しようにもなかなか相談できないという実態があるのだろうと推測されます。弁護士大増員時代に弁護士ニーズを掘り起こして,社会の隅々まで法の支配を徹底しようというのが,このプロジェクトの出発点である訳ですが,担い手の弁護士がそれに対応できる状況でないとなれば,画餅になってしまいます。社会のニーズに対して敏感にならなければならないという当たり前のことが,弁護士の世界ではまだ浸透しきっていないということなのかも知れません。

弁護士 田島正広

PS.ちなみに,私が設立し代表取締役を務めるコンサル会社「フェアリンクスコンサルティング株式会社」が賢者.TVで採り上げられました。昨日から映像が公開されています。お時間のある方は,同社設立の理念を語る私の思いなどご覧頂けると嬉しいです。
↓↓↓
賢者.TV

○関連リンク
田島総合法律事務所
フェアリンクスコンサルティング株式会社
パンダ君のコンプラ




スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。