弁護士田島正広の“立憲派”ブログ

田島正広弁護士が、注目裁判例や立法動向、事件などを取り上げ、法の支配に基づく公正な自由競争社会の実現を目指す実務法曹としての視点から解説します。

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日米地位協定改定申入れを自制する国家の自主独立性とは

【安倍首相、日米地位協定改定に消極姿勢
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2780550.html 】

沖縄ではまたしても痛ましい事件が起こってしまいました。被害者とご家族に哀悼の意を表します。

こうした事件が起こる度,米国政府は日米地位協定の改定を避けるため,その「運用改善」を口にします。しかし,いかに運用を改善したところで,不平等条約は存在し,米国政府にとって日本側の捜査対象とすることに都合のよろしくない被疑者は,地位協定の枠内として保護される可能性が否定できません。米国の基地の多くを抱え,時に市民生活への脅威ともなる重大犯罪の被害を余儀なくされる沖縄の人々において,被害者としての権利保障は当然の主張です。政府がそれを主張することもせず,基地の負担に対する金銭補償等での帳尻合わせによって,その負担感を封じ込めるばかりでは,沖縄において基地問題,そして日米関係についての消極的受け止め方が勝るのはむしろ当然ではないでしょうか。

地位協定の改定論議において,当然に予測される米国側反論として,取調べの可視化が不十分であること,取調べへの弁護人立会権の保障がないこと等が挙げられます。ならばそれを進めればよいというのが私の論です。弁護士会はもろ手を挙げて政府を応援することでしょう。しかしながら,法務省は治安維持を理由に被疑者,被告人の権利の拡充には消極的であり,その結果外交交渉においては,政府として積極提案ができないという足かせがかかったままということになります。これも国益を優先しない省益優先縦割り政治の弊害でしょうか。今やDNA鑑定や防犯カメラを始めとする科学捜査の技術力は向上し,自白に頼らない捜査が現実のものとなっています。国内の治安維持は,何よりもまず国民の市民生活の安全のためであり,そのためには対等外交も存在しなければならないことを思い知るべきです。

そうであればこそ,政府には,小手先の沖縄封じ込め政策ではなく,米国との対等交渉による日米地位協定改定を含む将来像の提示が求められるべきです。それなしに,積極的平和主義の名の下に米国の世界戦略に組み込まれれば,平和で治安が維持されていたはずのわが国で欧州なみにテロが頻発する事態を引き起こすだけでしょう。皆さんはそのような事態を納得感をもって受け止めますか?国家としての自主独立性と国民の尊厳の保障の上にこそ,建設的な外交関係はあることを強調したいと思います。

                                       
弁護士 田島正広

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