弁護士田島正広の“立憲派”ブログ

田島正広弁護士が、注目裁判例や立法動向、事件などを取り上げ、法の支配に基づく公正な自由競争社会の実現を目指す実務法曹としての視点から解説します。

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「一票の格差」と「地方の利益」

1票の格差:2倍「違憲」 「1人別枠」廃止、焦点に 与野党、意見集約難航か

【 8月の衆院選小選挙区間の「1票の格差」をめぐり、2倍を超える格差を初めて違憲と判断した28日の大阪高裁判決は、国に制度の根本的な見直しを促す内容となった。小選挙区比例代表並立制が導入された96年以降、選挙区の区割りが調整されたのは02年8月の1回だけで、2倍超の小選挙区は現在は47もある。是正論議は高まりそうだが、来年夏の参院選を控えて与野党の対立が強まっており、解決策は簡単には見つかりそうにない。】

(29日毎日新聞)

1票の格差が大きいほど平等権が侵害される,だから一票の格差を是正しなければならない,というのは分かりやすい理屈ですが,厳格に一票の格差を実現しようとすると,過疎化の進行する地方では議席が自ずから減少することになり,地方の利益が国政に反映しない虞があるとの指摘を受けることになります。

一見正当に聞こえる指摘ではありますが,もともと日本の国会議員は全国民の代表であって,州の代表であるアメリカの上院議員とは立場が違います。全国民の代表である以上は,都会選出の議員であっても,例えば地方を中心とした農業や整備新幹線のあり方について,地方住民の立場を考慮した議論を展開すべきは当然のことです。多様な価値観や利害にいかに配慮し,調整できるかが国会議員には求められている訳であり,政党単位で多数決が行われる現代にあっては,政党内でいかに多様な価値観への配慮ができるかが重要となります。

したがって,政党においては,マニフェストどおりの多数決をすればよい訳ではなく(もしそうなら,各法案の採決は,選挙結果に基づき自動的に行えばいいことになりますね),少数意見にいかに配慮し調整できるか,そのための仕組み作りが問われるというべきです。党内民主主義の実効化がまさに重要というべきでしょう。この点への確信があれば,1票の格差の厳格な是正も,より一層進められやすくなると思います。


弁護士 田島正広

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